ビジネスのグローバル展開を考える場合に、国内だけでなく、外国での特許取得も十分に検討すべきです。こちらの記事では、アメリカ、中国、ヨーロッパなど主要な国での特許出願の流れ及び留意点について解説しています。外国で特許出願をお考えの方は、ぜひご確認ください。

なお、外国出願を行うまでには翻訳や書類集めなどに時間を要しますので、パリ条約経由での出願の場合には優先権期限の3カ月前(日本の一番最初の基礎出願から9カ月)、PCT出願の場合には国内移行期限の3カ月前(一番最初の優先権基礎出願から2年3ヵ月)頃から準備を開始し、3カ月以上の余裕を持って各国に出願を行うようにしましょう。

アメリカ

アメリカで特許出願を行うなら | 米国特許商標庁(USPTO)
米国特許商標庁(USPTO)

アメリカは、1790年に近代的な特許法を制定して以降、法改正を繰り返しながら特許法を独自に発展させてきました。そのため、特許出願においても他の国の特許制度と異なる制度が多数存在しています。また、特許侵害が認められた場合の損害賠償額が高額になるため、万が一特許侵害訴訟を起こされた場合にも負けない特許権を取得しておく必要があります。

アメリカで特許を取得するためには、日本に出願された基礎出願に基づいてパリ条約に基づく優先権を主張して、もしくは日本に出願されたPCT出願から米国に国内移行手続きを行うことによって、米国特許商標庁(USPTO)に対して特許出願を行います。

この際、米国特許商標庁に手続きをすることを認められた米国特許弁護士(US Patent Attorney)に米国特許出願の代理をお願いします。出願の際には、日本の基礎出願の英語翻訳文、宣誓書または宣言書、委任状等が必要になります。

出願後は、日本と同様に、拒絶理由があれば拒絶理由通知がUSPTOから通知され、意見書・補正書等を提出しながら特許取得を目指すことになります。

アメリカ特有の注意点としては、

  • ・代理人が弁護士なので代理人費用が高額になる。
  • ・継続審査要求(Request for Continued Examination:RCE)という手続きがあり、特許庁費用を払う限り原則永遠に特許性を争い続けられるため、裏を返すと特許取得まで何度も拒絶理由対応を迫られ費用が高額になる。
  • ・審査官の質が高くない場合が往々にしてあり、引用文献との差異を明確に書き分けて反論しないと堂々巡りになって時間と費用を浪費する。
  • ・審査官と電話面談を実施するとコミュニケーションロスが減って登録スピードと可能性が上がる。

等の点が挙げられます。

アメリカでの特許取得をお考えでしたら、瑛彩知的財産事務所へご相談ください。外国特許出願から特許取得後の「特許の侵害・非侵害鑑定」までサポートいたします。詳しいサポート内容に関しては対応サービス一覧のページをご確認ください。

レベルの高い現地の米国特許弁護士はその分弁護士費用も高額になりますので、トータルでの費用を下げるためには、米国特許弁護士に対して明確な指示が出せて、密なコミュニケーションの取れる英語が堪能で米国特許実務にも精通した日本の弁理士を見つけることが重要です。

中国

中国国家知識産権局(CNIPA)で中国の特許を取得
中国国家知識産権局(CNIPA)

中国は国策による減税・補助金・ハイテク企業認定などに伴い、特許出願件数が増加しており、2018年の特許出願件数154万件は日本の31万件の5倍であり、世界一の特許出願国です。加えて、権利行使の容易化や損害賠償額の引き上げなどによって、侵害訴訟の件数も著しく増加しており、知財係争リスクが日々高まってきています。中国は市場としても魅力的ですが製造拠点としても重要な国ですので、知財に絡む係争に巻き込まれないためにしっかりとした知財の権利を取得しておきましょう。

中国で特許を取得するためには、日本に出願された基礎出願に基づいてパリ条約に基づく優先権を主張して、もしくは日本に出願されたPCT出願から米国に国内移行手続きを行うことによって、中国国家知識産権局(CNIPA(旧SIPO))に対して特許出願を行います。

この際、CNIPAに手続きをすることを認められた中国弁理士に中国特許出願の代理をお願いします。出願の際には、日本の基礎出願の中国語翻訳文、委任状等が必要になります。

出願後は、日本と同様に、拒絶理由があれば拒絶理由通知がCNIPAから通知され、意見書・補正書等を提出しながら特許取得を目指すことになります。

中国特有の注意点としては、

  • ・記載要件や補正要件が厳しいため、適切な請求項の記載が求められる。
  • ・審査官の質にばらつきがあり、拒絶理由通知で通知される引用文献の内容が様々。
  • ・一度ですべての拒絶理由を通知するルールになっていないため、反論のたびに新しい拒絶理由通知が発行されることがある。

等の点が挙げられます。

欧米と比べると現地代理人の費用は高くないものの、審査官から納得のいかない拒絶理由が通知されることもあり、中国弁理士と連携を密に取りどのような対応方針がベストなのか模索することが重要です。

特に中国弁理士から補正書や意見書の提案が送られてくることが多いですが、これを鵜呑みにせずちゃんと自身の中国特許実務の知識と経験に基づいて解釈し、最適な対応方針を模索できる日本の弁理士と連携することが大事です。

ヨーロッパ(欧州)

ヨーロッパで特許を取得するには | 欧州特許庁(EPO)
欧州特許庁(EPO)

ヨーロッパでは、特許制度に関する統一化が進んでいます。ヨーロッパ特許庁(EPO)に特許出願をして特許登録が認められれば、指定したEPC加盟国において特許権を取得したことになります。以前は、特許許可通知後に明細書の全文を指定国の言語に翻訳する必要がありましたが、2008年のロンドン協定(London Agreement)の発効に伴い、ほとんどの国で請求項のみ英独仏の3か国語に翻訳すればよくなりました。欧州各国の特許庁に個別に出願することも可能ですが、3か国以上の国で出願予定の場合はEPOへの特許出願の方がコスト減になります。

ヨーロッパで特許を取得するためには、日本に出願された基礎出願に基づいてパリ条約に基づく優先権を主張して、もしくは日本に出願されたPCT出願からヨーロッパに国内移行手続きを行うことによって、ヨーロッパ特許庁(欧州特許庁:EPO)に対して特許出願を行います。

この際、欧州特許庁に手続きをすることを認められたヨーロッパ弁理士(EU Patent Attorney)にヨーロッパ特許出願の代理をお願いします。出願の際には、通常、日本の基礎出願の英語翻訳文、委任状等が必要になります。

出願後は、日本と同様に、拒絶理由があれば拒絶理由通知がヨーロッパ特許庁から通知され、意見書・補正書等を提出しながら特許取得を目指すことになります。

ヨーロッパ特有の注意点としては、

  • ・主に使われるドイツの欧州弁理士は、博士課程修了後社会人経験を経てから資格を取る社会的地位が高い人が多く、時給が高い。
  • ・出願維持年金という制度があり、特許になる前でも出願中毎年高額の年金支払いが発生する。
  • ・審査官から面談を要求された場合、出席が必須となり、その準備や参加のための費用が高額になる。

等の点が挙げられます。

現地のヨーロッパ弁理士は、じっくりと明細書や拒絶理由通知を読み込んで反論するスタイルの欧州弁理士が多く、その分請求される弁理士費用が高額になりがちです。

トータルでの費用を下げるためには、引用文献と出願した発明の差異や反論ポイントを的確に指摘して、補正案も日本側で提示するなど、ヨーロッパ弁理士に対して明確な指示が出せて、密なコミュニケーションの取れる英語が堪能で欧州特許実務にも精通した日本の弁理士と連携することが重要です。

瑛彩知的財産事務所は、米国弁理士としてアメリカ特許庁に直接代理手続きを行っていた米国弁護士資格も持つ日本弁理士、ドイツ語が堪能で日々ドイツクライアントとのやり取りを行っている日本弁理士、中国特許実務に精通した日本弁理士等を有しており、外国特許出願に強みがあります。

アメリカ、中国、ヨーロッパなどの海外特許出願に関する豊富な知識と経験がありますので、海外での特許・商標・意匠などの権利取得に関して事務所開拓の興味がございましたら、お気軽にご連絡ください。

外国(アメリカ・中国・ヨーロッパ)などの特許出願については瑛彩知的財産事務所へ

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